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後悔しない物件選びとは?〜居抜き編〜

2016年12月26日

今日は飲食店開業にあたって重要な「物件選び」についてです。
今や主流になりつつある「居抜き物件」にスポットをあててお話をしたいと思います。



【居抜きとは?】

閉店した飲食店の椅子やテーブルなどの家具、壁や天井・カウンターなどの造作がそのまま残っている物件を指します。
仮に、インテリアや厨房機器が残っていなくても、壁や天井、ダクト等の設備が残っていれば、それも居抜き物件です。


【居抜きで開業するメリットとは?】

まず「低コスト」が挙げられます。

通常、スケルトン(*1)で内装工事をする場合、坪50万円かかると言われています。20坪であれば1000万円の費用が必要です。
しかし、居抜き物件であれば、内装工事費を坪30万円〜、約600万円にまで抑えることが可能な場合があります。(目安の金額です)
設備費以外にも、内装工事では建具類なども非常にコストがかかっているので、居抜き物件を活用することで、それらのコストも抑えることもできます。

また、居抜き物件のメリットは「低コスト」だけでなく「工期が短い」ことが挙げられますね。

*1・・・建物躯体のみの状態を表すことが多く、店舗の内装設備が無い状態

【居抜き物件で注意することは?】


①排気ダクトのトラブル

マンションの1階物件で特に発生するトラブルです。

廃棄する煙や臭いに対して近隣から苦情がくるという理由から、ダクトを屋上まで伸ばさなければならないことがあります。
立地よし、契約条件良しの物件でも、ダクト工事にプラス100万円かかってしまった!という失敗ケースにはご注意です。



②厨房機器の故障

内見した時は、動作していても、いざ開業してすぐに故障してしまったというトラブルです。
このトラブルは完璧に防ぐことはできないものの、厨房屋さんに内見時に機器を見せることで大部分を防ぐことができます。

③電気・ガスの容量不足

以前は、喫茶店などの「軽飲食」だった居抜物件で重飲食を開業しようとする場合に発生することがあります。
地中埋設管の都市ガスの物件の場合、どうしても必要な厨房機器がガス容量の不足のために使うことができず開業できないこともありえます。


④譲渡されると思っていたものが引き渡しの時に無くなっていた

譲渡されると思っていたものが引き渡し時に無くなっていたというトラブルです。まさかっ!!と思いたくなるトラブルケースです。
店を譲るオーナーが次の店に使うからと厨房機器を持っていてしまうんですね。ですが、それを口頭でしか譲渡先に伝えていなかった、もしくは伝え忘れていた、そんな理由から起こるトラブルです。
飲食店専門の不動産屋の場合は、内見時に厨房機器の譲渡物リストを作成してくれるところがありますが、飲食専門でない場合、そういったトラブルを知らない不動産屋もいるので注意しましょう。
ともあれ物件の契約の前に譲渡物のリストを作成しておくと間違いないでしょう。



これらのトラブルを防ぐ為には、物件を内見するときは、できる限り内装屋、厨房屋に同伴してもらいチェックすることをお勧めします。

物件契約時のチェックポイント!


契約時に確認しておきたいポイントをまとめました。



<条件の確認>

■月額家賃は月間売上予測の10%以内が目安
■契約期間2~3年が一般的 更新は、更新料が必要(目安1ヶ月分の家賃)
■現状復帰義務(義務があると解体工事が必要)
■解約予告(3~6ヶ月が一般的)
■調理に際して臭いや煙が出やすい重飲食の業態でも可能か(後々のトラブルに ※排気など)
■保証金(家賃の10ヶ月前後が目安)


<内見時の確認>


■設備確認(電気容量、ガス容量は、増設無しで足りるか)
■エアコンの室外機置き場(屋上しか設置が出来ない⇒工事費が高くなる)
■ダクト位置
■防水工事(設備工事の中でも高額になる項目、居ぬきの場合、ヒビ割れていないか確認)
■譲渡されるモノの試運転



<立地確認>

■300~500m圏内の交通量、商業施設等のTG(*2)、競合店をチェック
■10m以上手前からの看板チェック​

*2・・・トラフィックジェネレーションの略で、たくさんの人が集まり、通る場所
例えば、駅や百貨店、交差点などのことをTGと呼ぶ。

いかがでしたか?
居抜き物件で出店する際に知っておいた方がいいポイント、注意しておくポイントでした。



飲食店オーナー様の一生を左右するとも言える、大切な物件選び。
そんなオーナー様のお役に立てるよう、テンポスも全力でバックアップさせて頂きたいと思います。

[飲食店繁盛研究所]

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