全社員へ2026年03月18日

夢を実現するのに大切なのは「志」を持ち続けることだ! 

大きな夢を掲げて飲食店を営んでいる経営者は多い。しかし、それを現実にしていくにはどうしたらいいのだろうか。この問いに対して(株)テンポスホールディングスの森下篤史社長は「大切なのは『志』を持ち続けることである」と指摘する。経営者が途中で満足し、志をなくしてしまえば組織の成果もそこで止まると警鐘を鳴らす。新年を迎える今回、そもそもリーダーに求められることとは何なのか、そしてリーダーが志を持つためのポイントについて森下社長に解説してもらった。

リーダーに求められるのは、既存事業で儲けながら新規事業を開発していくこと 

−−そもそも、組織においてリーダーに求められていることは何だとお考えでしょうか 

 リーダーには、自分が与えられている仕事を効率よく、「人」を使いながら利益を出していくことが求められる。もう1つは、既存事業は成長し続けるわけでなく、頭打ちになることもあるのだから、力の2割は新規事業開発にも目を向けていかなければならない。ただ人間には2つのタイプがあり、ほとんどの人は「今までどおり」にやる人である。

このような人ばかりだと、新規事業がなかなか立ち上がってこないのが問題である。 

 新規事業を始めようとするとき、今までどおりにやりたいと考えている人は「そのやり方で本当に大丈夫なのか」と、ひたすら抵抗してくる。会社の幹部にそんな人がいると、本当に邪魔な存在になる。 

 一方、「新規事業」をやりたいタイプの人は、新しいことをやりたがるだけで、すぐに目移りする人が多い。新規事業とは本来、芽が出るかわからないことを、失敗を繰り返しながら作り上げるものだが、このタイプは新しいことをやりたがるだけで、芽が出るまで我慢して作り上げることが苦手なため、なかなか事業開発になっていかない。 

 ほとんどの人間はこの2つのタイプであり、両方できる人はほとんどいないので、そんな人が来たら、神様に手を合わせるくらい感謝しないといけない。 

「人間関係」の中で人を育てることができるリーダーになることが大切 

リーダーは、人を上手に使いながら仕事をしていく必要があるが、人の使い方についても2つのタイプがある。1つは無機質的なタイプ。感情よりも合理的な判断を重視し、好き嫌いで評価せず、成果を出せば、その対価として給料もたっぷり払うタイプである。もう1つは、対人関係で人を使うタイプ。人間関係を大事にするので、部下に対しては、その人の一生を背負うような気持ちで接するし、育てることも好きだ。だから、部下が仕事ができなくても交代するという判断がなかなかできないこともある。 

 しかし、リーダーには無機質的に人を使うよりも「人間関係」の中で人を育てられるリーダーであってもらいたい。部下の人生そのものを応援するのだから口うるさくなるかもしれないが、それでいい。そいつの人生を作り上げるつもりで叱咤激励していくべきだ。 

能力ではない。「志」があるかどうかが成功するかしないかの別れ道

普通の人を100人集めたら、そのうち95人は志がないと思っていい。その人たちは真面目に生きてるけど、何かの志に向かって一生懸命やることがない。言われたことを真面目に、一生懸命やるだけだ。そのような人は、能力開発や人生の程度が低いものになってしまう。 

 例えば3ヵ年計画で売上を10%ずつ伸ばしてくれと言われたとき、そのとおりにやるタイプと、倍以上の大きな目標をたてるタイプがいる。その結果、3年間で能力の伸びはまったく違ってくる。 

 結局、成功する人としない人の別れ道は、いつかは大繁盛の飲食店をやるとか1億円貯めるとか、大きな志を持っているかどうかで決まる。志を持っている人間は自然にそこに近づいていく。楽しくやれればそれでいいとだけ考えている人は成功できない。 

 志を持っている人間は、何かの機会がきたときの選択が違う。いつも難しい方を選ぶのが当たり前になっている。挑戦しようとする。安心、安全を選ぶ人と、難しいことに挑戦する人の差はそこに出てくる。 

−−なかなか「志」を持てない人が志を持つにはどうすればいいのでしょうか 

 ラーメン屋をやっているなら、まずは地域で一番、次は東京で一番、そして全国で一番になろうとすることだ。そうすると次第に一番とは何か考えるようになる。店の数なのか、売上なのか、そうなると志はどんどん大きくなっていく。 

 しかし、残念なことに志が途中で吹っ飛んでしまう人が多い。中小企業の経営者の99%は、途中で満足してしまうから中小企業のままである。もったいないことだ。 

 俺の仲間で、中小企業の社長が3000人くらいいるが、ほとんどが高級車に乗って、海外旅行にいって、そこで満足してしまう。ブレーキをかけてしまうと、会社自体の成長も止まってしまう。 

行動基準をつくるときは楽な方を選ばず、「難しいこと」を選択するべき 

−−志をつくるときのアドバイスをお願いします 

 行動基準をつくるとき、難しいことと楽なことがあれば、「難しいこと」を選ぶのが大切。経験のあることと、ないことであれば「経験のない」ことを選ぶ。楽な方を選ばない行動基準を持っていると、着実に成長していく。 

 明治維新のとき、日本は大変革する必要があったため、安全の中で生きてきた長老は引っ込み、新しいことにチャレンジできる若者が多く登用された。しかし、現代の日本は大変革の必要がないから、若者は登用されにくい。しかし、テンポスグループは大変革しようとしているから、若者をどんどん登用している。 

 これから先、怖いのは貧しい東南アジアから来た人たちは、みんな目が輝いていて志があることだ。日本の会社も、志の高い外国人を採用するようになると、志のない日本人がそういう人たちの下で使われてしまうこともありえる。20〜30年後、日本の企業が外人にとって変わられて、もう一度、日本人は頑張らなければならない時代が来ている。