全社員へ2025年12月16日

「閉店する人が後悔する25のこと」は今も活きるのか? 森下社長が語る、潰れない店の“条件” 

2018年に取り上げた「閉店する人が後悔する25のこと」。当時、多くの反響がありましたが、それから時代は大きく動きました。コロナ禍を経て、物価高、人手不足、飲食業界を取り巻く環境は、まさに激変の連続です。その中で、あの25項目は今も通用するのか? それとももう古いのか? 森下社長、教えてください! 

「閉店する人が後悔する25のこと」とは 

年間2万件の厨房機器の買取を行うテンポスバスターズが、“閉店する人が後悔すること”を飲食店オーナーに聞き取り調査。その中で、回答の多い項目25をまとめた。(項目は最後に記載) 

「閉店する人が後悔する25のこと」の中に、「客が来てくれて嬉しいのに、“いらっしゃいませ”といえなかった」とあるが、これは嘘だよな。“言えなかった”んじゃなくて、そもそも「客が来てくれて嬉しい」と思わないから、言葉が出てこない。 

悪気はないけど、楽しいはずの飲み会で、まるでゲップでもするように自然と人の悪口が出てしまう人がいるだろう? その人は、なぜ自分が悪口を言ってしまうかなんて、いちいち考えないのと同じように、「いらっしゃいませ」の一言が出てこない人も、お客が来てくれたことへの感謝が、自分の中で当たり前になっていない証拠なんだよ。 

ただ、偉そうなことを言っている俺だって、「閉店する人が後悔する25のこと」の中に、「女房を使うのは当たり前だと思っていた」というのがあるけど、正直これ、グサッときてさ。起業してから、女房と一緒に仕事をしてきたけど、子育ては全部任せっぱなしだった。その中で女房には、総務や経理、採用をやってもらっていた。でも、それを“当たり前”だと思っていたことが、俺の愚かなところだよな。今思えば、本当に頭が上がらない。 

25のことの中には、「家族・子供を大事にしなかった」もあるけど、これも同じ話だ。「忙しいから時間がなくて…」という言い訳が通るなら、忙しいなら飯も食うな、トイレにも行くなって話にもなるわけだ。 

結局は、人に心から感謝するとか、そういう人間としての根っこがしっかりして初めて、仕事は実を結ぶもんだ。「お客が来てくれて嬉しい!」、この素直な気持ちがなければ、客商売なんて絶対にうまくいくはずがない。これは、商売する人間にとって絶対条件だからね。それと、従業員の出来が良かろうが、悪かろうが、仕事をやってくれてありがたい!と思うのも忘れないこと。 

競争を勝ち抜く「危機感」と「志」を持て 

閉店する25のことに、「従業員のワガママをそのままにしていた」「小さな不正に目をつむっていた」とあるが、いかにも“優しい”のオーナーが陥りがちな失敗談だ。でも、これはオーナーの気が弱いからとか、そういうことが原因ではない。 

 仕事をするときは、自社が頑張ったかどうかではなく、競合他社と比較した中で「自社は頑張っているか」、この1点が大事になってくる。いくらこっちが毎日、真面目に額に汗して働いていても、周りのライバルたちはもっと賢く、もっと速いスピードで変化し、進化しているかもしれない。その現実から目をそむけて「うちは真面目にやってるから大丈夫」なんてタカをくくっていたらどうなるか。競合との差はどんどん開き、お客はじわじわと離れて、気づいた時にはもう取り返しがつかない状況になっているはずだ。手抜きをして店を潰すのならまだ諦めもつくが、真面目にコツコツやってきたのに潰れちまうなんて、やりきれないだろうよ。 

 じゃぁ、その“優しい”オーナーに足りないことは何か。それは、自分たちが常に熾烈な競争社会にさらされているという危機意識だ。そして、その厳しい競争を勝ち抜いていくために、何を成し遂げたいのかという志や具体的な目標を持ち、それを達成するために行動し続ける姿勢である。 

結局のところ、真面目にコツコツ努力することだって、人に優しく接することだって、その根底に揺るぎない目標や、腹の底からデカい志があって初めて、本当の意味を持つんだ。そこを見失ってしまったら、どんな立派な行動も、ただの自己満足で終わってしまう。だから、目標や志が大事なんだ。 

人生のハンドルを握れ 

「閉店するときの25のことの中で、特に大事なことは何か?」と聞かれても、答えられないよ。この質問は、「生きていくのに水と空気、どっちが大事ですか?」「お父さんとお母さん、どっちが大事ですか?」と聞いているのと同じで、考える間もなく、全部セットで大事に決まっている。 

25のことの中に、「業者に感謝しなかった」「お客さんの名前を覚えようとしなかった」「いつも美味しいものを出すと決めていなかった」、こういうのって、まさに“やらなかったから潰れた”っていう分かりやすい反面教師だよな。 

これらは、どれか一つだけ改善すればいいという話ではないよ。25のこと、一つ一つを欠けることなく、全部しっかりやりきった先に「成功」の尻尾が見えてくる。そして、さらに発展させていくためには、今までやってきたこと全てのグレードを、もう一段、もう二段も三段も引き上げていく。大きい目標を掲げ、それに向かって汗水たらして達成したら、またすぐ次の、もっと高い目標を設定する。この繰り返しの中でしか、会社も自分も成長なんてしない。 

どんな目標や志を持てばいいか分からない、本当にやりたいことが見つからない。そんなときはまず、「所得を2倍にするには」「自分は何のプロになりたい」「お金が貯まったら何に使いたい」と、自分に問いかけてみるといい。 

女性の中に、「結婚して生活が落ち着きましたから、もうこれ以上収入を上げたいという欲はないですね」なんて言う人もいるけど、今の旦那が2〜3年で、ある日突然いなくなってしまうかもしれない。60歳で離婚することになるかもしれない。だから、結婚しようがしまいが、自分の人生のかじ取りは、なにがあっても自分でやるんだと決めておくことが大事なんだ。自分で決めた目標や志は、もうだめかもしれないって挫けそうになったときも、「なんとかなる」とあなた自身を支える生命線になる。そうなれば、人生でどんな不測の事態に見舞われても、そう簡単に人生はブレないよ。 

目標を立てたからといって、魔法みたいに明日からすぐに人生が変われるわけじゃない。だけど、もしあなたが真面目に一生懸命に仕事に取り組むタイプなら、目標さえ決めてしまえば、あとは自然と体が動くはずだ。無意識のうちに目標達成に必要な情報を集め始めたり、関連する本を読み始めたり、誰かに教えを請いに行ったりするようになるもんだ。「自分の人生は、自分で決める」、そう覚悟を決めた瞬間から、あなたの未来はもう、間違いなく輝き始めているといってもよい。目標、そして志。これは本当に、本当に大事なものである。 

「閉店する人が後悔する25のこと」 

1よその店を見に行かなかった 

2客が来て嬉しいのに「いらっしゃいませ」といえなかった 

3従業員のワガママをそのままにしておいた 

4小さな不正に目をつむっていた 

5残ったもの鮮度の悪いものを出した 

6業者のいいなりに仕入れた 

7感情的に客、従業員に接した 

8いつも美味しいものを出すと決めていなかった 

9客の意見を聞こうとしなかった 

10美味しさの分からん客だと思っていた 

11厨房、店を綺麗にしなかった 

12業者に感謝しなかった 

13どんぶり勘定を続けていた 

14神社にお参りをしなかった 

15女房を使うのは当たり前だと思っていた 

16客の名前を覚えようとしなかった 

17約束事、時間を守らなかった 

18そのうち、売り上げが上がるようになると思っていた 

19 接客がイマイチでも、料理が美味しければお客は喜ぶと思った 

20赤字が続いても、やめようとしなくて、引き返せなくなった 

21借金で不義理をして、身近な人、大事な人を失った 

22家族子供を大事にしなかった 

23 見ればわかる、食べればわかるとタカをくくって、売る努力をしなかった 

24 目標もなく、真面目に働いていればなんとかなると思っていた 

25 支払いを遅らせたり、都度値切ったりしていやな店主だった