全社員へ2025年05月20日
2025年度、テンポス第三創業期が始動「選別」と「育成」、そして「超スピード成長」の年へ
テンポスグループは、5月1日より新年度がスタートしました。それに先立ち、4月28日の配属決定会では、森下社長が全国から集まったテンポスグループ管理職300名に今期の大方針を発表。キーワードは「選別と育成」そして「超スピード成長」です。
失われた30年で、日本人が失ったものとは

上記の図をご覧ください。これは日本のGDP推移グラフです。1960年から1990年までは、GDPが5年で100兆円ペースで成長していましたが、1990年以降は停滞。30年たち2020年でようやく100兆円増。つまりこの間の日本はほとんど成長していないのです。
森下社長は語ります。「かつて、世界時価総額ランキング上位10社のうち、7社は日本企業だった。それが今では、トヨタでさえ100位。この30年で日本人は“無理せず、挑戦せず、頑張らない”、この生き方が染みついてしまった。でも、テンポスはそうはいかない。私たちは、これから日本を引っ張る2000億円企業を目指していくのだから」
創業から27年、テンポスグループの売上は470億円にまで成長しました。しかし、森下社長は、「これから1年でプラス200億円、年商650億円にしていく」と話します。創業から27年かけて積み上げた400億円に対し、その半分をわずか1年で上乗せしようという挑戦です。そのための戦略は、大きく2つあります。
テンポスバスターズ:出店スピードを一気に加速
一つ目は、テンポスバスターズの新規出店です。2024年度に8店舗を新規出店しました。その中で、長野県下諏訪郡、鳥取県米子市、滋賀県近江八幡市への出店を通じて、人口10万人の小規模なエリアでも黒字化が可能であることが分かりました。現在、日本には人口10万人以上の市区町村が200あります。つまり最低でも200もの出店余地があるということです。なおかつ、その中には人口50万人、100万人の市もあり、人口100万人ということは、そのエリアに10店舗の出店が可能だということです。森下社長は、「5年で120店舗を目指すという方針はやめた。120という目標を取っ払い、今期は20店舗、来期は30店舗のスピードで出店していく。そして自社店舗で競合して赤字になるようになる限界まで店舗拡大していく。今年から、創業から27年で直営60店舗にしてきたが、これから3年で60店舗を増やす。今までのスピードとはまるで違う速さで出店していく。このことを肝に銘じてくれ」と力強く語りました。
その他にも、新規出店のみならず、東日本では横浜西口店を外販主体のモデル店舗にすること、西日本では、なんば店の外販を強化し年商9億から50億にすることを目指します。ラーメン専門館などの業種に特化して店舗も出店します。
全社戦略としては、引き続き全国の厨房会社へのM&Aの打診を続け、まずは、年商600億円のマルゼンと肩を並べる規模まで厨房部門を拡大する計画です。それと並行して、厨房を売るだけでなく、飲食店経営支援をしながら物を売る「コンサルティング営業」の体制を作り上げることで、お客様が飲食店を出店するときは、年商4400億円のホシザキにテンポスが7勝3敗できるくらい、四つに組んで勝てるようにしていきます。
外食事業の拡大、M&Aの加速
二つ目は、外食事業の成長です。あさくまでは、清水会長と廣田社長のダブルトップ体制が4月25日より始動しました。なお、ヤマトサカナの新社長に就任したのは、25年前に同社に板前として入社し、ヤマトサカナの成長を第一線で支えてきた斉藤常務が新社長に就任しました。
清水社長は、あさくまにとどまらず、テンポスグループの外食事業全体を統括していきます。外食部門は、あさくまとヤマトサカナの成長に加え、M&Aによる事業拡大も見据えています。あさくまとヤマトの2社で合計160億円の売上を見込んでおります。ここにM&Aで100億を上積みし、さらに2、3年で220億を上積みし500億になれば、外食業界の売上ランキングでトップ30入りする規模となります。
しかし、テンポスが見据えるのはさらにその先。国内トップクラスを狙うとともに、数年以内の海外進出にも本格的に乗り出していきます。
テンポスグループ「選別」と「育成」
日本市場が縮小を続けるなか、国は売上高1000億円を超える企業を増やし、世界で戦える日本企業を育てようとしています。その一環として、大手企業では新卒初任給を35万円、40万円に引き上げる等、優秀な人材を早期に獲得するために、新卒を「選別」する動きが加速しています。
テンポスグループにおいても、今後の急速な成長を遂げるためには、「人材の選別」と「育成」が欠かせないと考えています。森下社長はこの方針を語る中で、旧約聖書の「ノアの箱舟」の物語を例に挙げました。この物語は、神が怠惰や争いにまみれた人間に失望し、大洪水を起こしてすべてを一掃するというものです。ただし、その中で正しく生きてきたノアとその家族には箱舟に乗せ、彼らだけが生き延びるという物語です。
テンポスもまた、この激しい競争社会の中で生き残る“箱舟”だと、森下社長は言います。
「日本市場は今後ますます縮小していくだろう。だからこそ、テンポスはこれから2~3年で一気に規模を拡大し、業界トップの地位を確立しなければならない。そして、その先には海外にも打って出なければならない。創業から27年かけて築いてきたものとはまったく異なるスピードで変化していく必要がある。このスピードに振り落とされないように、必死についてきてほしい。仕事の出来が悪いという理由で箱舟からは降ろさないが、怠け者、意地の悪い人、不満ばかり言う人は、箱舟から降りてもらう。大切なのは、一緒に荒波を越えていこうという姿勢だ。そんな仲間とテンポスをつくっていきたい」
今年は新入社員75名が入社し、その内70%は外国人社員となりました。森下社長は、「家族を養うために国を出て日本で働こうという気概をもった外国人社員は多い。テンポスは年齢や国籍に関わらず、意欲のある社員を育て、応援していく。今後もますます外国人人材を増やす考えだ」と語りました。
テンポスグループは、これまで三つの成長ステージを歩んできました。中古厨房機器の販売で基盤を築いた「第一創業期」。情報サービス事業を立ち上げ、新たな価値を提供してきた「第二創業期」。そして今、私たちはM&Aや海外進出を見据えた「第三創業期」へと突入しています。
私たちはこれからも挑戦を止めず、次の一手を打ち続けていきます。2025年度も駆け抜けていきましょう!