2022年09月26日

【役員研修】グループ戦略<1000億企業 100年続く企業を目指して>

9月23日、2022年9月度の役員研修を行いました。
役員研修は、グループ会社11社の社長・幹部が集まり「人格を高める」「成果を上げる」の観点から実践的な研修を行います。

今回は、ぐるなび出向の2名が新たに参加されました。

今回のテーマは、「グループ戦略」です。
社長の具体的なお話。四人一組のグループワーク、及び、チーム発表。
これらを繰り返しながら、じっくりと解釈をすり合わせながら研修を進めます。

長期計画は必要か?

我々は、目先の数字を追いかける一方で、10か年計画を立てる規模になってきた。
何兆円もやっている京セラの稲盛さんは、「長期計画なんてないよ」と言ってる。
その真意は、「固定した長期計画はない」ってこと。
そのくらい、質的にも量的にも日々刻刻と変化している。毎日計画が立てるくらいが丁度良いということ。

我々もゴールを決めて毎日、部下から報告を受けて、部下への指示を毎日変えるようでなければ、市場の変化を掴めていないということ。
部下には、「上司の指示はコロコロ変わるんだ」と認識させよ。

「義を見てせざるは勇無きなり」

「義を見てせざるは勇無きなり」という言葉がある。
儀は、恩義、正義、大儀、理、物の道義を表す。
目の前に困った人がいたら、とっさに動いて助けることが出来る人こそが、勇気を持った人である。

(例)
  • 20年前の線路転落事故(助けようとして飛び込んだ韓国人留学生だった)
  • 20年前の雪印偽装事件(同業界での偽装は日常的であった)
  • 最近での、熊本産のアサリ事件(中国産か韓国産のアサリを「熊本産」として流通していた)

世間は「助け合いが大切」と言うが、実際は助けられない人が多い。
なぜなら自分の中に「助けるぞ」という心構えを決めていないから。だから即行動できない。
自分の中の「正義」がない。
では、ここでグループワークを始めてもらいます。

あなたの会社で食品の日付偽装が行われているとする。
厳密にいえば「偽装」ではあるが、業界的には“これくらいは許容範囲だろう”という中で行われていること。
しかし、次第に社内の偽装の認識が甘くなってきた。
日付の偽装範囲もどんどん大胆になっていく。

その中で、あなたはどうするか。
もし、自身が社員だったら、一番正しい打ち手は、また、選択すべき道は何か?
「社員」と「正義」という観点で考える。

Aチーム発表
  • 自身と社内の同志(他部署も含め)を巻き込んで「改善策」を練ったうえで進言する。結果、社として改善が無い場合は、辞めるか残るかは個人の意見が割れた。
Bチーム発表
  • 上司、役員、社長といった順番で進言。人命に関わるような内容であれば、マスコミにリークする。
     結果、会社が潰れることもやむを得ない。(最終の手段として)
Cチーム発表
  • 上司に進言する。ただし単なる改善策だけでなく、儲かる仕組みも提案する。“儲かる”案を出せないのであれば進言する権利はない、というくらい覚悟をもってやる。
Dチーム発表
  • 同じ業界の会社を集め、日付の付け方について議論する(議論することで、自社がいきすぎた日付の付け方をしているということを、自社に認識させることもができる)。議論した上で、会社の方針を決める。

【結論】
賞味期限については、現代は「賞味期限廃止」の声があがるなど、少しずつ考え方が変わってきている。
いつの時代も変化し続けていて、世間が許してくれる許容範囲も変わってくる。
「正義」も変わってくる。

だから、業界の動きはどうなっているか、世間の考えはどうなっているかを捉えたうえで「正義」とは何か答えを出さないといけない。

世間や業界が問題視していないことを、「こうあるべきだ」と正義をふりかざして、コストをかけ過剰な食品管理をしていたらどうなるか。
利益は圧迫され、競争社会では負けていくよ。

つまり、我々が、100年企業を目指す中で、「正義」を捨てては話にならないが、「正義」を振りかざすだけではビジネス世界で生き残れないこと。
ビジネス界で「正義」と対極にあるのは「利益(損得)」であるということ。
儲けに走るような企業になってはいけないが、儲けないといけないこと。

「正義と利益のせめぎあい」をするのがまともな企業。
ここで悩むようになってきたら、一流の入り口だ。

テンポスが1000億企業になる為にどのフィールドで戦うべきか

業界でナンバーワンになることは、商売では非常に重要なこと。

投資家から「外食が不調なのに、なんでテンポスは好調なのか」と質問があった。

簡単に言うと、一店舗しかないラーメン屋がコロナの影響を口にしているのはおかしい。
ラーメンチェーン店がコロナの影響で売り上げが落ちているというのなら分かる。
規模が小さいラーメン屋は、個人の努力でどうにでもなる。

厨房業界でいうのなら、
ホシザキ3000億
フクシマ1000億
大和冷機500億
フジマック マルゼン タニコー 1500億
7000億くらいのマーケットがある

テンポスは200億、厨房業界からすると35分の1、テンポスが2倍になっても市場に影響が出るわけがない。
だからテンポスは、「コロナの影響でお客さんが減って売上が下がりました」なんてことは言えない。
店長次第で、どうにでもなる規模である。言い訳でしかない。

【結論】
外食プロデュース業界で戦え
では、どうやって戦うか?
戦いは弱いものイジメに限る。
弱いもの同士で組んで勝てるところと戦え。
厨房機器業界ではなく、外食の業界でお客様に求められる「外食プロデュース」で戦え。
ランチェスター戦略(強いものと闘うな。5番は、6か7番と合併し4番と戦え)

テンポスグループは、ドクターサービスという進め方をきっかけにして、1000億企業をつくる。
厨房機器大手とも「規模」と「規模」で真正面から戦うのではなく、ドクターをきっかけとした「顧客に求められる商売」で戦えば、1勝1敗の勝負ができるようになる。

そのためには「ドクターサービス」をプロに仕上げなければならない。

これから10年の間に我々のグループ各社がやるべき事

厨房の中で、スペシャリスト会社としてダントツの地位を築く一方で、成長戦略的には、別に500億以上の、消費者・小売業向けの外食を離れたフィールドでつくる。
(こういうことを始めている慌て者会社を見つけて、応援、投資する手もある。)

  1. グループ各社では、外食の中での、「ドクターサービスを充実させる柱」を構築して欲しい
  2. 一方で500億くらいの外食以外の事業を進める。

この、大きな流れの中で、
ドットコム:500億規模の「ネット通販(ビジネス)」事業にする。スピードが必要。
情報館:業界でのシェアを見る。新しい商品開発。

2040年問題を考えた自社の成長戦略

これらのグループ戦略と、「2040年問題」を捉えた上で、自社の成長戦略案を発表する。

Aチーム
  • 飲食店減少によるDX化の加速に対して、AIスピーカーなどの開発
  • キャッシュレス比率の増加に伴い、モバイルオーダーの快適設計
  • ポスレンダーの下位企業とのMAによる競争力強化
  • 余暇利用に対する体験に関する開発
Bチーム
  • シルバー人材の雇用
  • 海外の人口増に対して、海外ECへの着手
  • ショールーム化した体験コーナーの設置。販売はWEB
Cチーム
  • ライトな介護施設の運営(就労一体型、介護者の働き口)
Dチーム
  • 外国人労働者の積極採用、外国人向けの人事・評価・教育制度(他社にも提案できる仕組み)
Eチーム
  • あさくまファーム 余生の楽しみ方のプロデュース
  • 高齢者の福利厚生、葬儀手配サポート事業
Fチーム
  • 中古買取販売、LINE、チャットボット、での査定
Gチーム
  • 総合居酒屋の無人店舗、スナックのように人間味が残る店舗に二極化
    ⇒それぞれのサービスに対応。
  • 飲食店の減少の中、ウーバーのような配送の簡略化。ドローン、宅配ロボ、配膳ロボの中古買取、整備の需要に応える。
  • 店舗見積もりが、リモートでできる。お客様がネット端末で見積もりを見て依頼する。
  • 買い取った厨機の海外輸送(海外出店)。
  • テンポス店舗の形。来店が減る為、倉庫と物流の合体型。
  • 外食における水問題。家畜の飼育も難しくなる。水の再生事業。
  • マーケットを海外へ。
  • 葬儀二次会プロデュース。仕組化。
  • 働く人手の多様化、高齢者の就業、働き方改革など。
    ⇒我々の雇い側の準備が必要(大胆に積極的に行なう)。
  • 今後、10~15年のECサイトの利用の変化。海外への対応。
  • 高齢者の不動産購入の課題、せっかく買ったのに、嫌な人が住んでいるが出れない。
  • 海外向けの居抜き物件紹介。既に海外向け10か国語で情報発信している。
  • お寺無しでの葬儀が定着してきそう。派遣坊主などのプロデュース等。